1学期の復習をする
1学期に学習した内容を夏休みの間にしっかり復習して、2学期からの授業に備えるというのは、今年に限らず全ての夏休みに言えることですが、今年は特にその必要性が高いと言えます。なぜかというと、4・5月の休校や6月の分散登校によって、学校での授業数が著しく減りましたが、1学期期末試験の内容を見る限り、出題範囲に例年との差はさほど見られなかったためです。つまり、(多少は短くなっているかもしれませんが)ほぼ例年通りの範囲を、極端に少ない授業数で指導したはずで、これは各学校の先生方が学習の遅れを何とか取り戻そうと努力した結果であると思います。ただ、その分生徒にとっては負担が大きくなったというのも事実です。実際ある生徒は6月からの学校の英語の授業について、「とにかく猛烈なスピードで進んでいる。自分は塾で前もって習っていたからいいが、そうでない生徒は恐らく理解できないまま進んでいるだろう」と語っていました。これは英語のみならず、他の科目にも言えることだと思います。そして2学期以降も、授業のスピードが速い状態は続くと思われます。だからこそ、夏休みの間に1学期の内容を復習して、きちんと理解しておくことが大切なのです。
高校を調べる(特に中3生)
例年であれば5月頃から高校の説明会や授業公開が始まり、見学や情報収集の活動が活発になるところですが、今年はそれらの行事が軒並み中止、延期となっています。いくつかの私立高校では、オンラインなども利用して徐々に説明会や見学会を実施し始めているようですが、都立高校の動きは依然として鈍い状態です。今後どうなっていくのかは見通せませんが、9月以降はさすがに説明会も開催されるのではないかと思います。しかし、こうした中でも、各高校のホームページやパンフレットなどで、授業のカリキュラムや部活の種類、校舎やグラウンドなどの施設面、卒業後の進路など、調べられることはたくさんあります。夏休みの間に高校調べをしっかりやっておいて、秋以降の志望校選びに備えておくことが重要になってくるでしょう。
高校入試範囲の縮小について
東京都教育委員会の発表によると、都立高校入試において、次の項目が出題範囲から除外されることになりました。<国語>中学3年生の教科書で学習する漢字
<数学>「三平方の定理」「標本調査」
<英語>「関係代名詞」のうち、主格のthat、which、who及び目的格のthat、whichの制限的用法
<社会>「国民の生活と政府の役割」「私たちと国際社会の諸課題」
<理科>「力学的エネルギー」「科学技術と人間」「太陽系と恒星」など
出題範囲が短くなったことで、「勉強が楽になった」と考えるのは大きな間違いです。その理由をいくつか挙げてみます。
①中間・期末考査では出題される
上記の項目は入試問題から除外されたというだけで、中学卒業までには必ず学習すべきものであることには変わりありません。つまり、定期試験には出題され、その結果は内申点という形で入試にも反映されるということです。
②問題が難しくなる可能性
数学で除外された三平方の定理は図形の基本的な定理です。これを使わずに問題を作成しようとすると、特殊な条件の上にのみ成り立つような不自然で難解な問題になりがちです。英語も同様で、関係代名詞を使わないで作られる長文問題は、必ずしも易しくなるとは限りません。
③高校の授業で苦労する
除外された項目は各科目においてどれも重要なものばかりです。入試に出ないといって軽視してしまうと、高校に入学してからの授業が理解できなくなってしまう可能性があります。
以上の点から、当塾ではどの項目も例年通り指導し、しっかり理解させていきますので、ご安心ください。